銀行から証券会社へNISAの金融機関変更の手続きの手順
銀行のNISA口座を解約して証券会社やネット証券でNISA口座を変えたいというのはよくあるケースです。
銀行のNISAでは株やETFが買えないし、ネット証券はNISAの取扱商品も豊富なので、運用手数料が安くて人気のeMAXIS Slimなども買えるところが多いです。
銀行から証券会社へのNISAの金融機関変更の手続きの手順をわかりやすく解説します。
■このページの内容
銀行から証券会社へのNISAの金融機関変更の手順
- 新しくNISA口座を作る証券会社に証券総合口座を開設しておく
- 今の銀行に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出
- 銀行から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- 新しいNISA口座を作る証券会社にNISA口座の開設を申請
金融機関変更の手続きは、以下のような手順で行います。
1.新しくNISA口座を作る証券会社に証券総合口座を開設しておく
新しくNISA口座を作る証券会社やネット証券に証券総合口座を開設しておきましょう。こちらは銀行に変更手続きの申込をした後でもいいですが、証券総合口座の開設にも日数がかかるので、先に口座を作っておくとスムーズに進められます。
NISAの金融機関変更の場合は先に証券総合口座を作る必要があります。口座開設には本人確認書類や住所確認書類などが必要となりますので、事前に用意しておきましょう。
2.今の銀行に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出
現在NISA口座がある銀行に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、NISAの金融機関変更の申し出をします。申し出の方法は、インターネットや電話、直接窓口などがありますので、各銀行の指示に従って手続きを進めてください。
銀行の場合は本人確認書類などが必要となるケースが多いので、事前に用意しておきましょう。
金融機関変更の申し出後、現在の銀行から新しい金融機関への移管手続きが行われます。
3.銀行から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
金融機関変更の手続き完了後、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取ったら、新しい金融機関でのNISA取引が可能になります。
4.新しいNISA口座を作る証券会社にNISA口座の開設を申請
証券会社にNISAの金融機関変更の申請をします。その際には、事前に証券総合口座を開設していることと、銀行から受け取った「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が必要になります。
NISA口座の金融機関変更の手続きにかかる期間
NISA口座の金融機関変更の手続きには、一定の期間がかかります。具体的な期間は、各金融機関や取引先によって異なる場合がありますが、一般的には2週間から1ヶ月程度とされています。
まず銀行から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取るまでに約1週間程度かかります(金融機関によってスピードが異なります)。
その後、新しくNISA口座を作る証券会社に必要書類を提出してから税務署の手続きが終わるまでに1週間から2週間程度かかるのが一般的です。
このように、NISAの金融機関変更の手続きには一定の期間がかかるため、余裕をもって必要な書類を事前に用意するなど、スムーズに手続きを進めましょう。
銀行から証券会社へのNISA口座の金融機関変更の手続きに必要なもの
NISA口座の金融機関変更をする際には、以下のものが必要です。(銀行や証券会社によって異なる場合があります)
- 金融機関変更の申込書:変更先の金融機関で用意されている申し込み書を記入しましょう。必要事項を正確に記入することが重要です。
- 本人確認書類:金融機関の規定に従って、本人確認書類が必要です。運転免許証やパスポートなど、公的な身分証明書を用意しましょう。
- 銀行印(必要ない場合もあります)
これらの書類を準備して、金融機関変更の手続きを進めましょう。変更手続きが完了すると、新しい金融機関でNISAを続けることができます。
NISAで投資済みの場合は翌年から変更になる
その年のNISA枠ですでに投資をしている場合は、その年の変更はできず、翌年のNISAからの変更となります。
NISA口座は持っているけどまだその年にNISAを利用していない場合は、その年のNISAから変更が可能です。ただし、手続きの時期によっては翌年分からとなります。
10月が金融機関変更の境目
その年のNISA枠をすでに使っている場合は、10月まで金融機関変更の手続きができません。
10月以降に翌年のNISAの金融機関変更の手続きができるようになるので、時間がある場合は証券会社の口座をたくさん作ってどこにするかゆっくり選ぶこともできます。
まだその年にNISA枠を利用していない場合でも、新しい金融機関への変更の申請が10月になると、翌年からの変更になるので注意しましょう。
金融機関変更前から銀行で保有している投資信託はどうなる?
銀行のNISA口座を証券会社に変更する場合、現在保有している投資信託などの資産はどうなるのでしょうか?
金融機関変更後もこれまで銀行のNISAで投資した資産は、その銀行で引き続きNISAとして保有を続けることができます。変更先の金融機関に移動するわけではないので注意しましょう。
2023年分のNISA枠で投資したものであれば2023年分として保有を続けることができます。ただし、NISAの期間が終了したらロールオーバーはされず、投資信託口座に移行されてそれ以降に発生した利益や配当金には通常の税金がかかるので注意しましょう。
銀行のNISA口座を解約(廃止)したい場合
証券会社への金融機関変更の際に銀行のNISA口座を解約(廃止)する場合、例えばただ金融機関を変えたいだけではなく、その銀行に不満があるなどで「もう関わりたくない」という場合などは解約をして新しい金融機関に移動することになります。
その場合はそもそも解約(廃止)時には全ての資産を売却する必要があるので、これまで持っていたのと同じ商品を買いたい場合は新たな金融機関でまた1から買い直すことになります。いったん全て売却後、その資金を新しい金融機関のNISA口座に移して新たに買うことができます。
ただし、金融機関によってNISAで取扱する商品が違うので、その銀行では取扱をしていたけど新しい証券会社では取扱をしていない商品があった場合は、同じ商品をへの投資を続けることはできません。
ただ、ネット証券を選んでおけば基本的に取り扱い商品は豊富なので、銀行にある商品がネット証券では買えない、しかもその商品が非常に良いもので同じようなより良い商品がないということはあまりないケースなので、この心配は必要ないと思います。
銀行から証券会社へのNISA口座変更時のアドバイス
銀行のNISA口座から証券会社のNISA口座に変更する時のアドバイスを紹介します。
まず、変更手続きは時間もかかるのでどの証券会社に新しいNISAの口座を作るか、取り扱いしている商品や使い勝手などを検討して決めましょう。
証券会社なら日本株や日本のETF・REITなどはどこの証券会社でも買うことができます。
AppleやGoogleなどの外国株や海外ETFがNISA口座に対応しているかどうかは証券会社によって違います。外国株をNISAで買いたい場合はNISAで外国株が買える証券会社を選びましょう。
また投資信託の取扱商品も証券会社によって違います。基本的にネット証券は取扱商品がかなり豊富です。
株式を買う際には通常は100株単位での取引になりますが、単元未満株と言って1株ずつ株を買うこともできます。NISAで単元未満株が買えるかどうかというのも必要であれば検討しましょう。
どこがいいか迷った場合はマネックス証券かSBI証券か楽天証券を選んでおけば基本的には問題がないと思います。いずれも投資信託の取扱商品数は豊富だし、NISAで外国株も単元未満株も買うことができます。
使い勝手に関しては実際の画面やアプリなどを使ってみるのがいいのでNISA口座を作る前に通常の証券総合口座を作って使い勝手を試しておくと良いと思います。
金融機関変更の手続きには期間がかかる場合がありますので、余裕を持って手続きを進めましょう。